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戦争花嫁に関する考察:京都女子大学現代社会学部のレポート集 | ||
| 京都女子大学の現代社会学部(嘉本伊都子専任講師)の授業で、拙著『戦争花嫁』(共著)が、テキストとして使われました。 戦争花嫁という言葉は、現在、日本では死語と言われています。というのは、1950年前後に、進駐軍兵士と結婚した日本女性が、夫の暮らす国(アメリカやオーストラリア)に旅立ったので、日本では忘れられた存在になってしまったからです。 「忘れ去られた自分たちの存在を歴史に残そう」と日系国際結婚親睦会が、ワシントン州(アメリカ合衆国)で結成されたのは、1988年のことです。日・米・豪の三ケ国で、差別、中傷の対象になって辛い思いをした戦争花嫁たちは、「自分たちに恥ずべきことはない」と、彼女たちの歴史を残す活動を始めました。 京都女子大学現代社会学部に在籍する学生さんたちが、『戦争花嫁』を読んで、感想をレポートに書いてくださいました。その一部抜粋です。(一部補筆。あいうえお順) | ||
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「社会に出て働くことを余儀なくされた女性たちは同時に経済的自由を手に入れることになる。経済的自立は、精神的な自立をも支えた。経済的に自立することによって、家や男性からの自由を手に入れたのだ。女性が自由に恋愛を楽しむことは自然なことになった。当時の日本人男性に比べて経済的にも豊かで、女性に優しい駐留軍人男性を彼女たちが選ぶのは現代の女性に近い感覚で親しみが持てた。(中略)戦後の混乱期に自分で人生の選択をし、自力で幸せをつかんだ彼女たちの人生はすばらしいと思う」――土谷智子さん 「戦争花嫁に対する偏見は現在も続いており、特に日本人の『戦争花嫁』という言葉に対する暗いイメージは残ったままだ。しかし、この現状に、戦争花嫁自身が立ち上がり、1988年、スタウト・梅津・和子さんを中心に日系国際結婚親睦会が結成された。彼女たちは、戦争花嫁という言葉のネガティブなイメージを変革するために活動し、国際親善のために、以前、自分たちを排斥した日本に『戦争花嫁』として訪れたのである。戦争花嫁を差別という観点からアプローチすることは、現代社会に存在する様々な偏見とも無関係ではなく、とても興味深いことであり、意義があることだと私は考える」――出口友香さん 「アメリカ人兵士に、日本の置き去りにされた女性とその子どもたち(アメラジアン)は、『アメリカの戦争・占領』のもとに存在し、様々な問題に直面している点において、戦争花嫁と一致していると言える」――内藤歌菜さん 「占領軍兵士と日本人女性の交際、結婚は容易なことではなかった。それは、排日政策を行い、人種差別をしていたアメリカ、白豪主義であったオーストラリア、それぞれの国が異人種間の結婚、特に被占領地住民との結婚に対して禁止する政策をとっていたためである。国のさまざまな政策が戦争花嫁の結婚、そして夫の国への移住の妨げになっていたことがわかった」――春名由香里さん 「異国の地での生活は、自分自身で決めて掴んだ幸せだけれど、やはり心のどこかでストレスも不満も積もっているに違いない。どんな夫婦にも誤解やすれ違いはあるのだから、国際結婚の夫婦間での誤解やすれ違いは比べものにならないくらいあるかもしれない。でも結局は、固い決意をした結婚があって、夫婦の愛情、支えあい、深いつながりがあったからこそ、それらも乗り越えられるし、自分の半生を費やし、夫婦になることができたのだろうと私は感じた。それになにより、戦争花嫁が自分と自分の人生に誇りを持って生きていることが、原点であり、人生の秘訣といえるのではないだろうか」――藤野忍さん 「戦争花嫁には、白人と結婚した戦争花嫁もいれば、黒人と結婚した戦争花嫁もいる。アメリカで同じ戦争花嫁として出会っているにもかかわらず、黒人と結婚した戦争花嫁は、黒人と結婚しているという理由で、白人と結婚した戦争花嫁から差別を受けたのである。白人が黒人に対して、それほど強い差別意識をもつようになったのはなぜか」――山田梨加さん 「戦争花嫁について考察していくと、戦争花嫁に対する偏見やステレオタイプによって戦争花嫁たちは苦しんでいたことを感じた。戦争花嫁というだけで=売春婦というイメージがつきまとうという彼女たちの悔しい思いがよくわかった」――吉富愛さん 「戦争花嫁を勉強して、彼女たちが結婚するまでのつらさ、結婚してからのつらさや戦争花嫁と呼ばれたくないという意味を、同じ女性として少しは理解できたように思う。彼女たちの共通点は、明るく、前向きで、何に対しても一生懸命で、新しいものに興味を持っている人が多いようだ」――渡辺舞さん 2003年の5月に、第4回日系国際結婚親睦会(於:別府)の会場で、会長のスタウト・梅津・和子さんは、「戦争花嫁であることを恥ずかしいと思ってはいけない」とスピーチをされました。異国で、職業婦人として、妻として、母として、一生懸命に頑張ってきた彼女たちの人生を理解していただければ、幸せに思います。 (本ホームページ上の掲載にあたっては、嘉本伊都子先生と京都女子大学の学生のみなさまから許可をいただきました。) | ||
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